中国留学情報

vol.084 日本語学科の有無

少し前にこんなことを書きました。

「文法を学ぶために中国に行くんじゃない」
「留学する価値は聴力、会話力の養成にある」


そうです。
留学するメリットは文法習得ではありません。
聴力、会話力を養成するために中国に行く。


その上で、非常に重要なポイントとなるのが、
「日本語学科の有無」なんです。




文法だろうと作文だろうと、
授業科目に関係なく、
授業中は聞くこと、話すことに注力する。


でも、それだけでは足りません。
午前中に授業が終わって、
そのあとの午後の時間、
ここをいかに有効に活用するか。




そこで大切なのが、

「互相学習」

です。




互相学習とは、
中国語を学ぶ日本人と、
日本語を学ぶ中国人が、
互いの言語で会話練習をすることです。

例えば、
最初の1時間は日本語だけで会話して、
次の1時間は中国語だけで会話する。
そんなイメージです。



この互相学習、
平日は毎日やるべきです。

せっかく大金はたいて中国まで行くんですから。
学習の機会はすべて使い尽くさないと。



そうなると、
互相学習の相手が1人では足りませんよね。
相手だって都合があるわけですから、
1人の相手と毎日ってわけにはいかない。

話のネタも尽きてくるでしょうし。笑

理想を言えば10人くらいはいた方が良い。



そこで必要になってくる条件が、
「日本語学科の有無」なんです。

日本語学科の学生は言うまでもなく日本語を勉強しています。
互相相手に最適です。




では、日本語学科はどんな大学にあるのか?



日本人の感覚で言えば、
答えは外国語大学ですよね。

でも、中国には全国で8校しか外大はありません。

じゃぁ、その8校を選ぶしかないのか?



いえいえ、
実は、約半分の中国の大学に日本語学科があります。



中国の大学はほぼすべてが総合大学です。
名前が工業大学だろうが林業大学だろうが、
実態は総合大学なんです。


そして、そのほとんどに外国語学部があります。
そして、その約半数が日本語学科を持っているんです。


例えば、大連理工大学。
名前は理工大学ですが外国語学部があって、
日本語学科があります。




じゃぁ、日本語学科がある大学を選ぶのは楽勝!


とはいかないんですよね~




注意すべきポイントが2つあります。




●日本語学科が同じキャンパスにあるか?


中国ではここ数年、急激に学生が増えました。
このため、旧来のキャンパスだけでは足りなくなって、
郊外に新キャンパスを建設するようになったんです。


で、ここで中国の大学がいらんことをしてくれた。


日本語学科などは郊外の新キャンパスに移したけど、
留学生は生活に便利な方が良いだろうと気を使い、
市内の旧キャンパスに残したんです。

留学生は市内のキャンパス。
日本語学科の学生は郊外の新キャンパス。
分かれてしまった。

ホントにいらんことをしてくれました。


両キャンパスが近ければ良いんですけどね。
けっこう距離が離れてたりする。


日本語学科で有名な大連外国語学院の場合、
両キャンパスの移動には、
バスを乗り継ぐと2時間近くかかります。

上海外国語大学は少しマシですが、
それでも地下鉄を乗り継いで1時間以上かかります。

新キャンパスってどこも広大ですからね。
校門からの移動もまた時間がかかるんですよ。



日本語学科があるだけでは不十分です。
同じキャンパスにあるか、
日常的に互相ができる距離なのか。
要チェックです。




もう1つ。




●日本人が多すぎないか?


日本語学科ってだいたいどこの大学でも、
1学年1~2クラスです。
人数で言うと、30~60人。
それが4学年。
120~240人。

楽勝そうに思えるでしょ。


ところが、
4年生はインターンシップに行っているため、
そもそもあまり大学にいません。


3年生ともなるとペラペラです。
3年で日本語検定1級合格ってけっこういます。
相手がペラペラすぎるもので、
互相相手としては今ひとつなんです。
気がつくと、ずっと日本語で会話だった、みたいな。


かと言って、1年生はあまりにもダメダメすぎて。


結局のところ、ベストチョイスの2年生は、
30~60人しかいないんです。
しかも、みんながみんな互相に積極的なわけじゃない。

ね、
けっこう厳しいでしょ。


そんなところに、
日本人留学生が何十人もいたら、
どんな結果になるか見えてますよね。


なので、
日本人留学生が多すぎないか、
ここのチェックも必要なんです。






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【今週のまとめ】
1) 留学する以上、互相は毎日すべし
2) 日本語学科があると互相相手を確保しやすい
3) 同じキャンパスに日本語学科があるか?
4) 日本人が多すぎないか?
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